『老後2000万円報告書』なぜ 金融庁が謝罪?ミスリードしたのは誰?

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『老後2000万円報告書』なぜ 金融庁が謝罪?ミスリードしたのは誰?

こんにちは。

kumatamです♪

金融庁(金融審議会)から出された報告書での『老後2000万円の蓄え』問題が、まだまだ続いています。

今回、この金融審議会「市場ワーキング・グループ」より出された報告書は、「高齢社会における金融サービスのあり方」を示したものであり、年金問題を扱ったものではありません。

また、この報告書の中身は一度金融庁ホームページより確認して頂ければわかりますが、内容はとても的確なものであり、否定されるようなものではないのです。

この点に関して私の意見は、この報告書「案」が金融庁ホームページに出て、朝日新聞トップにて取り扱われた直後と、野党や与党から有り得ない指摘を受けた後のブログに2回掲載しています。

最初のブログからは、5月22日に出された修正前「案」を見ることができます。↓

もう一度、言わせてください。

金融審議会「市場ワーキング・グループ」より出された報告書は、本当にしっかりしたものなのです。

マスコミも野党も与党も、めちゃくちゃなことを言っていますが、一度読んで頂ければわかります。

よく言ってくださった! セゾン投信中野社長

本当にしっかりした金融審議会の報告書であるのに、なぜこのような扱いなのでしょう?

本当に残念でなりません。

私でこのような憤りなのですから、金融審議会委員の方々の悔しさは図りしれません。

私は、金融審議会の報告書を「案」の段階で金融庁ホームページ掲載後に確認していました。

ただ、その時点では金融審議会メンバーが誰かということを気にせずに読んでいたのです。

昨日、読者様より私のブログにセゾン投信の中野社長が話されているとのコメントを頂き、初めて金融審議会委員であることを知ったのです。

セゾン投信は、私のメイン投資先の一つです。

そのセゾン投信に投資する大きな理由が、中野社長の存在です。

そのような中野社長も関わっていた報告書であることを後から知り、ある意味報告書の優れた内容に納得がいきました。

他にもインデックス投資をされる方であればご存知の竹川美奈子さんも委員なのですね。

なんか、この報告書に親しみが沸いてきました(笑)。

ただ、今回私が先の2つのブログを掲載したのはこのことを知る前です。

自分に変なバイアスがかかる前にブログ掲載しておいてよかったと、今は思います。

少し脱線してしまいましたので、話を戻します。

金融審議会メンバーで今のところ唯一取材に応じているのが、セゾン投信の中野社長です。

取材されてもねじ曲げられたり、変なところを切り取られてマスコミに報道されるリスクもありますから、取材に応じるには勇気が必要だったことでしょう。

ただ、投資に対するブレない信念をお持ちの中野社長です。

今回のねじ曲げられたマスコミ報道には許せない想いがあったのでしょう。

NewsPicksにて、独占取材が掲載されています。↓

「消された報告書」の舞台裏 【実名告白】当事者が明かす「老後2000万円不足」の真実

有料記事ですが、7日間のお試し期間もありましたので、私も気になって確認しました。

中野社長のこの報告書や投資に対する想いを強く語られています。

また、偏ったマスコミ報道や、政府、野党に対しましてもはっきりと物申されており、中野社長の主張がしっかり伝わってきます。

ただ、1つの例として、平均的な無職の高齢夫婦世帯だったら、大体月5万円不足するから、掛け算すると20年で1300万円、30年で2000万円不足するとはっきり書いています。
これをもって(全ての人が)2000万円不足と読み取る方がバカじゃないでしょうか。

NewsPicksより

気持ちのよい語りです!

必見です!

金融審議会報告書を誰がミスリードしたのか?

金融庁(金融審議会)の報告書は、「高齢社会における金融サービスのあり方」を記載したものであり、話題に上がっている年金を問題にしたものではありません。

では、なぜこの話題になったのか?

このミスリードのスタートは、5月23日の朝日新聞朝刊トップ記事です。

私のブログでも触れていますが、この記事がきっかけでネットでの炎上が始まったのです。

朝日新聞記事内でも、以下のように紹介されています。↓

平均寿命が延びる一方、少子化や非正規雇用の増加で、政府は年金支給額の維持が難しくなり、会社は退職金額を維持することが難しい。老後の生活費について、「かつてのモデルは成り立たなくなってきている」と報告書案は指摘。

朝日新聞5月23日朝刊より

ここから、報告書本来の主旨から外れ、年金が絡んでくるのです。

その後、蓮舫議員の発言やそれに乗っかったマスコミが騒ぎ立てたのです。

恐らく野党(蓮舫議員)は、報告書の中身を確認し粗探しをした上での意見でしょうが、マスコミの多くは内容の確認もしていないでしょう。

もしくは、確認してもこの報告書の意図を読み取る力がなかったのでしょう。

もし、読み取る力があっての上であれば更に悪質ですが。

更に追い討ちをかけたのが、麻生金融担当相の対応です。

野党の追求対処やネット炎上に対する対応と思われますが、頂けない対応でした。

野党やマスコミが騒いでもいつもの麻生節で、「あの報告書には大切なことが書いてある。2000万円は、報告書にも記載されているとおり、試算の一例に過ぎない。それを読み取れないのはいかがなものかな」というように流して欲しかったのです。

金融庁が謝罪?またも納得いかない動きが・・・。

なぜ、こうも問題を大きくしていくのでしょう?

「老後2千万円」報告、金融庁が謝罪「ミスリードした」

2019年6月14日15時21分

 老後の生活費が2千万円不足するとした金融庁の審議会がまとめた報告書をめぐり、同庁の三井秀範企画市場局長は14日、衆院財務金融委員会に出席し、「世間に著しい誤解や不安を与えた。配慮を欠いた対応でこのような事態を招いたことを反省し、深くおわび申し上げます」と述べて謝罪した。

 報告書は老後の資産形成を呼びかける狙いでまとめたが、「(老後の)毎月の赤字額は約5万円」などと記したことに与野党が反発している。

 三井氏は「高齢者のライフスタイルはさまざまだ。意味のない数字を掲げ、ミスリードをしたと反省している」。審議会について、「公的年金制度そのものを正面から議論したものではない」と語った。(山口博敬)

朝日新聞より

またもや朝日新聞ですが、なぜ金融庁が謝罪するのでしょう?

しかも、自ら「ミスリード」「意味のない数字」という表現を使うとは、今度は金融庁担当者にがっかりです。

立場上追い込まれているのでしょうが、金融審議会に参加された委員の皆さんは多忙な中、時間を割いて真面目に報告書を作成したわけです。

適切な内容に対して更に金融庁自身で「ミスリード」「意味のない数字」と表現するとは、何をやっているのでしょう。

それが、ミスリードです!

具体的数字は試算の一例ですが、そのことも明記されていますので、読み手への配慮として必要な数字です。

今後は、この報告書の正しさが広がることでしょう。

反対に、あまり否定的に「ミスリード」する皆さんは、追求を受けることでしょう。

そのような中、麻生金融担当相は更にミスリードを続けています。↓

金融庁の対応に問題あったと麻生氏
2019年6月14日 10時10分

 麻生太郎金融担当相は14日の閣議後記者会見で、老後資産に関する金融審議会の報告書について「作成段階で『こういう表現はいかがなものか』と言えばよかった」と述べ、金融庁の対応に問題があったとの認識を示した。

共同通信より

金融庁の対応に問題あったとは、報道の仕方もありますが、麻生金融担当相のこの対応は今回もよくありません。

年金問題での野党の突っ込み回避があるのかもしれませんが、今回の報告書は年金とは別物です。

老後2000万円の蓄えも、試算の一例であることは報告書内でも明確に記載されていますので、麻生金融担当相も前回発言を撤回し、毅然とした態度で臨むべきだったのです。

まぁ、年金問題と繋がったとしても、一例としての試算は事実ですので、この報告書の価値は高いです。

『自分ごと』として捉え 行動する

今回の騒動はいろいろなことを考えさせられます。

・金融審議会報告書は、過去のデータに基づき、事実を「試算」として具体的数値2000万円として記載。

・この試算に使われているデータは何も新しいものではなく、本当は驚くような記載内容ではなかった。

・朝日新聞が朝刊トップでこの報告書案を掲載後、ネットで炎上気味に。

・立憲民主党(蓮舫議員)が、年金に絡めて自民党を追求。

・マスコミが一斉に『老後2000万円の蓄え』を強調して報道。

・麻生金融担当相が、報告書受け取りを拒否して、批判的発言。

などなど、当たり前のデータに基づいた報告書が、政治や視聴率の道具となって歪曲されて伝えられたのです。

今回の件から、いかに政治や報道で事実が歪曲され、本来進むべき道を遠回りしているかがわかりました。

一番心配されるのが、報告書主旨である「金融サービスのあり方」や「資産形成制度の充実」「金融リテラシーの向上」に関して意見を出しづらい環境になってしまうことです。

例えば、NISAやつみたてNISAは年数期限がありますが、長期視点での資産形成を考えますと「恒久化」が必要なものです。

政治的利用やマスコミの過剰報道、それぞれの保身が原因で、早急に実行すべきものが先延ばしになることは避けないといけません。

しつこいですが、一度、金融審議会「市場ワーキング・グループ」より出された報告書「高齢社会における金融サービスのあり方」をご確認ください。

マスコミ報道や野党追求との内容の違いに驚くと共に、情報の捉え方の再確認ができます。

最後に金融審議会報告書の一節を掲載します。↓

これを見据えて、今何ができるか、何をすべきか。標準的なモデルが空洞化しつつある以上、唯一の正解は存在せず、各人の置かれた状況やライフプランによって、取るべき行動は変わってくる。今後のライフプラン・マネープランを、遠い未来の話ではなく今現在において必要なこと、「自分ごと」として捉え、考えられるかが重要であり、これは早ければ早いほど望ましい。そして、金融サービス提供者はこうした顧客の状況に対して、どれだけ顧客本位で一緒に考えることができるか。「自分ごと」として顧客に寄り添って考えることができる金融サービス提供者が顧客からの信頼を勝ち得ていくと考えられる。

金融審議会「市場ワーキング・グループ」報告書より

勉強になるブログはこちらを↓

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4件のコメント

更新お疲れ様です。
報告書読みましたが投資と少しでもやってる人目線で見ると特に目新しいことは書かれていないという印象でした。
ただ、この問題で「年金返せ」とか言って騒いでる人たちって恐らく資産形成もろくにやっていない層だと思われます。
今後年金は確実に先細っていくことを考えると事実を知らない、資産形成もろくにしていない層が20年後ぐらいにい
老後を迎えるとかなりの数が生活保護に落ち、その穴埋めで増税されたら資産形成してる我々にも負担が回ってくる
ので「冷静に資産形成考えろ」と言いたいです。
でも今回の件で金融リテラシーが異様に低い人が多数派だと分かったので無理な話ですね。。。。

ぱーかー様

再訪、ありがとうございます♪

ぱーかー様のおっしゃるとおり、報告書には特に目新しいことは書いてないんですよね。
投資をされている方からしますと、当然の内容が記載されており、修正も訂正も、そして炎上するような内容ではないのです。

今回、ネット上で炎上コメントをされていた方々は、おそらく自ら動かない方々です。
マスコミが偏った報道をすれば、それを事実と思い込みそのまま信じてしまうのでしょう。

もし、そのような方々が投資をされても、マイナスになったときに「国が責任とれ」と言いかねないですので、どちらにしてもという感はあるのかもしれません。

金融リテラシーは、日本の教育や習慣では高くなりづらいですので、やはり自身で行動することが大切ですよね。

そして、『自己責任』の下で行動するということでしょう!

ぱーかー様、またのご訪問をお待ちしております
m(__)m

ミスリードしたのか、と言われれば「した」と言える報告書でしょう。

P21に
「前述のとおり、夫 65 歳以上、妻 60 歳以上の夫婦のみの無職の世帯では毎月の不足額の平均は約5万円であり、まだ 20~30 年の人生があるとすれば、不足額の総額は単純計算で 1,300 万円~2,000 万円になる。」
とはっきりと2000万円の不足と書いています。

実態としては、高齢者は金融資産を2500万円ほど持っており、だから月に5万円を取り崩すことができるに過ぎません。しかも、実生活においては月に19万円の収入があれば生活は可能であるにも関わらず、不足するとの書きぶりをしています。
これは明らかにミスリードです。

事実を正確に書いておけば・・・
・年金だけで生活は可能である。
・豊かな老後を過ごすためには自助が必要
という構成にしておけば批判されることはなかったでしょう。

AKI様

ブログへのコメント、ありがとうございます♪

私の意見は少し違っていまして、ミスリードは金融審議会報告書ではないと思っています。

今回のブログにも、私の2つのブログを掲載しています。

その2つ目にAKI様も引用されている報告書21ページを引用記載しています。

AKI様の引用文の直後に以下の文が続いています。

「この金額はあくまで平均の不足額から導きだしたものであり、不足額は各々の収入・支出の状況やライフスタイル等によって大きく異なる」

この文章からも2000万円の不足は一例としての『試算』として掲載していることが明確であると私は読み取りました。

AKI様のおっしゃる、年金だけでも生活は可能であることに触れられており、ライフスタイルによって異なることも触れられています。

ミスリードは、年金についての提言ではない報告書の、この『2000万円』というところを切り取って報道したマスコミや、野党、そしてその対応をした与党にも問題があると思っています。

ただ、私にも豊かな老後をおくるには、ある程度の蓄えが必要であり、その一手として投資による資産形成が必要というスタンスですので、どこかにバイアスがかかっているのかもしれません。

AKI様のような、ご自身のスタンスを持って投資されている方からコメントを頂き、光栄です。

もし宜しければ、また来て頂けると幸いです
m(__)m

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