投資信託が売れなくなった?
本日の日本経済新聞 第一面のニュースです。
日経新聞より
投信不信 迷うマネー 金融庁批判で「毎月分配」自粛 14年ぶり資金流出
個人の代表的な資産運用商品である投資信託がパッタリと売れなくなった。2016年度は14年ぶりに解約と償還額が購入額を上回る資金流出を記録した。主因は圧倒的な人気を誇った「毎月分配型」の急ブレーキだ。長期で資産を形成する投信を増やしたい金融庁と売れる商品を提案できない金融機関のはざまで、行き場を失った個人マネーがさまよっている。
「毎月分配型」の投資信託販売に、急ブレーキがかかっているとのことです。
この「毎月分配型」の投資信託に力を入れ、販売が落ちている金融グループに言うことがあるとすれば、自業自得ということです。
投資信託販売に限らず、商売は儲けのみを追求しますと、絶対に長くは持ちません。
必ずお客様がいて、その顧客が望み、そしてメリットを与える商品でなければ成り立たないのです。
自社の商品を売るために、その商品のよいと見えるところだけを前面に出し、デメリットは説明しない商売をしていれば、売れなくなって当然です。
問題なのは、金融庁の森長官が仰られているように、一販売員が営業成績を上げるために取り繕ったのではなく、会社としてそのような販売方法をとっていた点にあるのです。
このような金融会社に存在価値はありません。
手数料を取るだけで、何も生み出していませんから。
悪いのは運用会社や証券会社、銀行なのか?
目的が「お客様の資産を増やす」ということが第一でない時点で、会社として失格です。
これは間違いありません。
ただ、投資信託を購入する人自身も自業自得と言えるでしょう。
購入は自己責任においてですし、勉強不足なだけですから。
投資信託を購入される目的は、資産を少しでも増やしたいからです。
その目的がありながら、ほとんど勉強もせず金融機関担当者の言われるがまま購入に動くのは、もったいないとしか言いようがありません。
特に、苦労して働いて得た退職金をそのように投入してしまうようなことは、絶対にしてはいけません。
6,000以上ある投資信託で、本当にお客様のためになるものはほんの一握りです。
同じ投資信託でも、購入するところによって手数料も異なります。
この手数料や信託報酬、複利と言った言葉の意味がわからない時点では、購入すべきではありません。
長期投資において、毎月分配型のメリットなんてない!
今回、記事で挙げられています「毎月分配型」ですが、販売している金融機関からしたら、購入者をカモとしか思っていないですよ。
長期投資において、私は「毎月分配型」の投資信託は絶対におすすめしません。
そもそも投資信託は、今後値上がりすることを見込んで皆さん購入しているはずです。
下がり続けることがわかっているのであれば、購入する人はいません。
下がってもどこかで、上昇する予測や希望があるから購入するのです。
「毎月分配型」で、基準価格が下落しているのに、分配金が出ていることがありますよね。
この分配金って、もちろん金融機関が補填してくれているわけではないです。
自分たちの投資資金から払われているのです。
下がっている中で分配金が支払われれば、基準価格も下落するのです。
もちろん自身の評価額は減少します。
自分の尻尾を食べて喜んでいるのと同じなんです。
下がるのを見込んで購入される方はいませんから、長期投資で分配型にメリットなんてほとんどないのです。
何よりも長期投資で一番大切な、複利の恩恵を受理できなくなるのです。
この「毎月分配型」の仕組みは、投資を続けている方であれば知っていますが、投資初心者の方はよく知らないのではないでしょうか。
毎月、おこづかいがもらえるからうれしいといった間違った考えの方もいます。
このような勘違いをするのを知っていながら、あえて「毎月分配型」を宣伝して販売しているのが、多くの金融機関です。
もしそれでも購入したい方は、金融機関窓口で担当者に「あなたも購入しているのですよね?」と聞いてみてください。
知識として、真っ当な考えをお持ちの担当者は、絶対に購入していないはずですから。
よい投資信託はあるのか?
2月にひふみ投信がカンブリア宮殿でテレビ紹介されますと、驚くほど口座開設が増えました。
こんな簡単に口座を開くくらいですので、正直あまり勉強せずに口座開設している方が大半でしょう。
テレビで紹介された投資信託が必ず儲かるとは限りません。
確かにひふみ投信は、とても素晴らしい投資信託です。
私が一つ、日本株のおすすめアクティブ投資信託を挙げるのでしたら、ひふみ投信にします。
ただ、そんなに優秀なひふみ投信でも思わぬ方向に市場が動く場合もあるのです。
そのリスクを取ってでもリターンを狙う意志のある人が投資を始めるべきです。
なぜこのようなことを言うのかと言いますと、よいファンドは株価下落のときほど、資金流入が増えるのです。
そのファンドに信頼のおいている投資家が集まっていますので、株価下落がリターンを増やすチャンスと考えるのです。
今までのひふみ投信がそうでした。
ひふみ投信の理念を理解した投資家が集まっていたからです。
よく考えずに口座開設された方が株価下落時に流出してしまうのがこわいのです。
もし投資を開始したばかりの方は、下落もリターンを得る糧になると思って、楽しみに待つことをおすすめします。
積み立て投資は、下落期間が長ければ長いほど、少しの上昇で大きなリターンを生み出します。
今回のニュースは、よい方向性
「投資信託がパッタリと売れなくなった」という出だしの記事ですが、ひふみ投信やセゾン投信をはじめとする直接販売ファンドはよく売れています。
売れなくなったのは、目先の利益のみを追求した粗悪なファンドです。
この流れは、投資意欲が無くなっているのではなく、本当に投資すべきところをセレクトしている優れた投資家が増えている証拠と私は捉えています。
投資する人が更に知識を増やすと、本当に優れたファンドしか生き残ることができなくなります。
投資の環境は、数年前と比較してもとてもよいものになっています。
しっかりとした視点でよい投資信託を見つければ、長期では高い可能性でリターンをもたらしてくれるでしょう。
下落時にこそ、続けて資金投入を。
コメントを残す