日経ビジネスオンラインの記事に関して、コツコツ投資家から多くの意見が出ていますね。
日経ビジネスオンラインより
「コツコツ投資が報われる」って誰が言った~いま、年金積み立て開始は得策か
ここで問いたい。20~30年間規則正しく、同じ投資信託などに積み立て投資を続けてきた人間が果たして皆さんの身の回りにいたであろうか。
「コツコツ投資が報われるって誰が言った」に対して
いろいろとつっこみどころ満載の記事ですね。
記者さんは、「個人型確定拠出年金など、いろいろ国のシステムが整ってきているけれど、安易に考えないで、しっかりとした選択をしましょう」ということを伝えたかったのかもしれませんが、言葉の使い方や引用があまりにお粗末でした。
結果的に、「コツコツ投資」に問題があると論じるのであれば、別の方法論を紹介するのが筋ですが、それが全くないという記事です。
よく日経ビジネスで載せたなぁというレベルです。
否定をするのは、誰でもできます。
もし「コツコツ投資」を否定するのであれば、データを表記するなど、納得させるものが必要です。
記者さんの言葉を抜粋掲載します。
あくまでも抜粋ですので、バイアスがかかるといけませんので、しっかり原文も読んでくださいね。
疑問1 今の株価は買いか?
老後資金の形成に向けた20~30年の視点でみると、いま投資を始める必要性はあるだろうか。
疑問2 コツコツ投資は現実的か?
長期的なドルコスト平均法は極めてストイックで経済的に合理的な人間を前提としている。NISAやiDeCoをきっかけに投資を始めた人々が、今後30年同じ銘柄に投資を続けるなんて不可能に近い。
疑問3 税制優遇は魅力的か?
iDeCoの場合、60歳までは運用資金の引き出しが出来ないというデメリットもある。
本来積み立てが必要な若くて収入が少ない人ほど、所得控除のメリットは受けにくい。半面、デメリットは大きくでる。必ずしも税制メリットがバラ色の内容というわけでは無い。
アメリカを参考にされても……
アメリカの歴史から学ぶべき教訓は「コツコツ投資は報われる」ではなく「右肩上がりの相場が個人投資家を作る」という事なのかも知れない。
長期投資の強みは、その名の通り長い時間軸を持っているということ。数年くらい様子見したって問題はない。
記事に対する考察
疑問1では、「今投資をする必要あるのか」と結論付けていますが、じゃあ、あなたはいつが適切な投資のタイミングか判断できるのかということです。
それができれば、「コツコツ投資」もしないし、投資だけで生きていけます。
疑問2の「コツコツ投資は現実的か」という内容にカチンときた投資家さんも多いと思います。
30年という環境が整っていない状況を例に挙げ、それを無理と論じています。
現在の投資環境が整ったのもここ数年です。今後もよりよい環境になることでしょう。
同じ銘柄でなくてもインデックス投資や決まったファンドというものであれば、「30年」も今後は出ると思います。
不可能と結論付けられるものではありません。
疑問3の「税制優遇」に関しても、記者さんの個人的見解を押し付けているだけです。
私は、若くて収入が少ない時でも、可能な額での積み立て投資をすることはとてもメリットがあると思いますし、60歳まで引き出せないことは反対にメリットと思っています。
私が今より若ければ、スタートできる時点すぐにも「コツコツ投資」始めますよ。
環境の問題もありますが、投資を1日でも早く始めればよかったと、後悔しているくらいですから。
最後の「アメリカを・・・」の部分も、わかっていらっしゃらない感じです。
「右肩上がりの相場が個人投資家を作る」とありますが、「コツコツ(積み立て)投資」は右肩上がりでなくてよいのです。
単調な右肩上がりよりも、一度大きく落ちても、最終的にある一定まで回復すればよいのです。
落ち込みが長く深いほど、戻った時に右肩上がり以上の資産が生まれているのです。
私も現段階ではありますが、「セゾン投信」の積み立て投資でそれを体感しました。
そもそもこの記者さんは、投資の知識がどのくらいあるのかも疑問です。
この記事がアップされて、すぐに『NewsPicks』媒体上でコメントされた方がいます。
「コツコツ投資が報われるって誰が言った?」という表題に対して、「私が言ったw。そして言い続けます」と。
コモンズ投信会長の渋沢健さんです。
コモンズ投信会長 渋沢健さんの言葉
「NewsPicks」でも「コツコツ投資」に対してコメントされた渋沢健さんが、本日の日経新聞NIKKEI STYLEに掲載されています。
日経新聞電子版より
現金好きの国民 知ってほしいコツコツ投資(渋沢健)コモンズ投信会長
仮に、89年12月末に一括ではなく、毎月定額を買い付ける「積み立て投資」を日経平均連動型ファンドで始めたとしよう。一括購入の場合はマイナス50%であったが、積み立て投資の場合、現在の利益はおよそプラス40%になる。
全く同じ期間で、全く同じ金融商品で、全く同じ運用環境において、これほど差が出るのである。これは魔法ではない、れっきとした長期投資の手法である。教科書では「ドルコスト平均法」と記されていて、何十年も前から確立されている投資手法だ。
今回の「コツコツ投資」論争に関係しての寄稿かどうかはわかりませんが、「コツコツ投資」の中心的存在の1人でもある渋沢健さんの言葉は重いですね。
よいタイミングで「コツコツ投資」に対する思いを代弁してくれています。
「コツコツ投資」に、コストで勝るものはない
ここで言うコストというのは、購入時手数料や信託報酬等のことではありません。
私たちの労力のことを指します。
投資を専業としている方は別として、多くの方は、サラリーマンや個人事業主としてお仕事をされていることでしょう。
そのお仕事が本業ですので、投資にかける手間と時間というコストは、低ければ低いほど仕事に対する人的資産も増えるわけです。
「コツコツ投資」は、毎月決まったときに自動で銀行から引き落とすこともできます。
また、投資信託であれば、自分の希望する投資先さえ決めてしまえば、ほったらかしでよいのです。
このような低コスト且つリスク分散できる投資は、「コツコツ投資」が最も適していると言えます。
まだ、「コツコツ投資」の恩恵を受けたことのない方は、いろいろな意見があると思います。
あくまで絶対ということはありませんが、何もせずに動かないよりも、世界や企業の成長に自分は賭けていきます。
私は個別株には向いていないことは、過去の失敗で理解していますので、メインは「コツコツ投資」でいきます。
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